協会誌最新号Vol.37/ No.2 (通巻126号)
特集「旅に出る」
「旅に出る」五十嵐有紀子
旅から得られる経験は私たちを豊かにし、新たな気づきや創意をもたらし、人との繋がりから社会生活習慣の違う人々に対する理解を深めます。その恩恵を得るために、何とか安全に、便利にそして楽しくなるように旅ができないかと遠い昔から助け合い、知恵を蓄え、経験・工夫を積み重ねてきました。
「頸髄損傷世界一周一人旅 Solo Travelling the World by Wheelchair」三代 達也
「俺たちがいればバリアもバリアじゃなくなるだろ?」といったことを笑顔で言ってく れた瞬間、とてつもなく心が楽になったことを覚えています。設備はバリアフリーじゃないけど、車椅子で入れないとは言ってないぜ?とでも言わんばかりのそのメッセージを受け止めて、あぁどんなバリアも人の手で越えられるんだ、と身をもって体感しました。
「オーストラリア留学経験 そして今」 花村 美紅
帰国後は母国語が通じる安心感や日本という国の良さを再認識する一方で、またオーストラリアやほかの国にも訪れたいという気持ちが芽生えました。たった1 年のオーストラリア留学でしたが私は多くのことに 挑戦し、目標を達成しました。あの場所に行きたい、 あれをやりたいという思いは想像以上の場所まで連れて行ってくれます。
「障害児キャンプに参加して」 立岩 ひかる
旅行に行く、思い出を作るという、人として当たり前の想いを叶えるために越えなければならない壁が多くあるのが現状である。だからこそ、毎年がんばれ共和国に参加することを楽しみにしている家族が多い。
「旅と災害」 高橋 競
そこで考えたいのが、日常の延長にある「旅」が 防災に役立つという視点だ。旅の準備をすると、普段と異なる環境で快適に過ごすために必要な物品の種類と数が把握できる。そして、旅をしている時は、慣れない環境で食事や排泄をし、馴染みのない人と接することになる。
「新幹線・特急車両のバリアフリー対策について」 権藤 宗高
国、障害者団体及び鉄道事業者が連携し、新幹線の新たなバリアフリー対策に取り組み、鉄道利用者の理解と協力の下、障害の有無にかかわらず、誰もが当たり前に、快適に移動や旅 を楽しむことができる、世界最高水準のバリアフリー環境を有する高速鉄道の早期実現を目指す
「チェアスキーにおける旅について」 井上 英年
きっとこれからも旅を通じて、日常とは異なる非日常の中でしか得ることが出来ない、さまざまな体験や経験によって、新しい価値観 や視点を得ることが出来るのかもしれない。このチェアスキー(スキー)という旅の果てにいったい何を視ることが出来るのか?
「旅に出る」 藤田 尚
身障者になってみて始めて気づくことばかりで、 当惑は想像以上だった。職場復帰後、今後の人生どうしたらいいか皆目見当もつかなかった。まして旅に出るなんてことは去年の今頃には考えられないことであった。
「パラアスリートの遠征時の注意点」 指宿 立 、小池 有美 、川崎 真嗣
東京 2020 をマイルストーンとし、障がい者の社会活動とスポーツ参加率が高まるであろうことを期待しつつ、さまざまな健康状態による機能障害と活動制限を伴っているパラアスリートが広範囲に活動できるように、合宿や競技会に向けた遠征時の注意点について述べる。
「オンライン旅行のアクセシビリティについて」 高頭 大志
ステイホームとデジタル化が相まって 「家で非日常を楽しむ」ことを目的としたオンライン 旅行が注目を浴びています。このような新しい旅のスタイルが普及する中で、障がい者が楽しめるオンライン旅行の取り組みも進んでいます。