協会誌最新号Vol.34/ No.4 (通巻116号)
特集「サイエンスを民主化せよ−インクルーシブデザインラボをめざして−」
34−4号 特集「サイエンスを民主化せよ−インクルーシブデザインラボをめざして−」をご案内します。
「特に、生命科学や工学など、実践的な経験が要求される分野において(Carey and Sale 1994; Duerstock 2006)、障害学生の割合は低い傾向にあります(NSF, 2015)。」 (特集にあたって)
「障害学生の実験室の活動を支援したいという意志があっても、具体的な方法がわからず、対応がされないことも多い。また、国内外では障害者の科学教育に取り組んできた多くの実践がある。現在支援に関心をもつ人々にこうした方法や事例を共有できるプラットフォームが役に立つのではないか。」(科学教育における障害学生の支援について)
「2030 年をめざした持続可能な開発目標(SDGs)が、No one left behind(誰一人取り残さない)を理念として国連から提出された。・・・。これまでの科学技術をいかにして多様な人々さらには社会(インクルーシブな社会)の安寧に貢献できるように軌道修正するかは先端研の課題でもある。」(先端研インクルーシブデザインラボの設置の背景と現状紹介)
「HERLは常に、科学・工学的探究のあらゆる場面に障害者を招き入れ、「私たち抜きに私たちのことを決めるな(Nothing About Us Without Us)」という障害者運動のモットーを実現するよう努めてきた。・・・。 HERL は、障害のある人もない人も、生産的に、対等な立場で、協調して働く統合的な職場となるべくデザインされた。そのためには持続的かつ周到な配慮と、チームとしての取り組みが求められる。・・・。HERLでは、メーカーが提供する様々な選択肢を組み合わせることで、アクセシビリティを改善できることを見出している。」 (科学・技術・工学分野の実験室をアクセシブルにする方法:ピッツバーグ大学人間工学研究室の取り組み) (HERL: ピッツバーグ大学の人間工学研究室(Human Engineering Research Laboratories))
「ロボット、AI、VR 技術を自在に接続し、コンピューターのインターフェースを介して現実世界をプログラミングして操作できることは、これまで私達が社会の中で障壁だとすら認識していなかったような様々なものを取り除き、多様な能力を持ちつつも様々な環境や身体的状況に置かれた人々が新しい価値を世界に生み出すことを加速するはずである。」(世界の自動化に向けた考察)
「視覚障害学生の修学にあたって、情報保障は必須のものであることを、多くの方に理解していただき、書籍のデータ化のノウハウや障害学生に対して資料の電子データの提供をすることが自然に行われるような文化ができていくことを期待する。」(サイエンスを民主化せよ−視覚障害学生への合理的配慮や基礎的環境整備(理系を中心に)−)
特集
特集にあたって「サイエンスを民主化せよ−インクルーシブデザインラボをめざして−」(P115)
特集 科学教育における障害学生の支援について(P117)
特集 先端研インクルーシブデザインラボの設置の背景と現状紹介(P122)
特集 How to Make Science, Technology and Engineering Laboratories Accessible: Human Engineering Research Laboratories Initiatives(P126)
- Rory A. Cooper・Randall Williams・Jonathan Duvall・Dan Ding D. Joshua Marino・Garrett G. Grindle・Rosemarie Cooper